数珠は宗派によりさまざまな種類があります。1連・2連の形状の数珠、または1連のものを二重にして使用するものもあるため、宗派のマナーを守りながら使用しましょう。
ここでは各宗派による数珠の持ち方と、数珠の違い、1連・2連の違いを解説します。
目次
1連と2連のちがいって…?数珠は難しい!
数珠(念珠)というと通夜・お葬式などの法要に用いる仏具のこと。仏具というと重々しいイメージや格式の高いものと思う方もいるでしょう。数珠は、厄除け・厄払いの効果を期待できる「お守り」としての役割を持つのです。
数珠には、1連のものと2連のものがあります。この違いは、男性用・女性用、宗派などさまざまな理由で異なります。
いまさら聞けない数珠の基礎知識【種類編】
本式数珠
本式数珠とは、各宗派ごとに作られた正式な数珠のこと。珠の数、1連・2連など宗派により異なります。本式数珠は、該当する宗派の法要でのみ使用可能です。あなたが自分の宗派をご存じであるなら、本式数珠を使用することをおすすめします。
略式数珠
略式数珠とは、基本的にはどの宗派の法要でも使用できる数珠のこと。略式数珠は1連のものがほとんどで、2連のものはありません。最近では本式数珠を持つ方が多く、社会的な立場でお葬式に行く機会が多い方、親戚の宗派が自分と異なる方におすすめです。
親族・親戚の法要の際は本式数珠を、会社関係の人の法要の際には略式数珠を使うなど、2つの数珠を分けるのもよいでしょう。
いまさら聞けない数珠の基礎知識【購入編】
仏具店・仏壇屋
仏具店・仏壇屋では数珠や数珠を入れる袋などを購入できます。略式数珠やその地域に合った数珠を選べるでしょう。選び方で困ったときは店員さんに相談しましょう。自分の宗派を把握したうえでお店に行くと、本式数珠を購入できます。
大手通販サイト
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonといった大手通販サイトでの購入も可能です。仏具店と比べると気軽に商品を見やすく、じっくりと時間をかけて選べることがメリット。本式数珠・略式数珠を選べるのはもちろん、数珠に使用される素材でも選べるでしょう。
仏具店のオンラインショップ
仏具店のECショップも多くあるため、仏具店と同じ数珠をネットで購入できます。仏具店ならではの数珠の説明、1連・2連の数珠の選び方、使用されている素材の意味などさまざまな情報が記載されています。不明な点は問い合わせることもできるので、近くに仏具店が無い方にもおすすめ。
いまさらきけない数珠の基礎知識【使い方編】
数珠の使い方は宗派により異なる
数珠の使い方は宗派により異なります。一見同じように見える数珠ですが、指にかける位置や持ち方はさまざま。本式数珠を使用する場合は、マナーとして正しい使い方を覚えておきましょう。
略式数珠の使い方
数珠を持つ際は、左手にかけ房を下に垂らします。合掌の際は、親指と人差し指の間に数珠を挟み手を合わせます。
略式数珠は男性用・女性用どちらも1連となります。略式数珠には2連のものはありません。
天台宗の数珠の使い方
数珠を持つ際は、数珠の「親玉」が上にくるように数珠を握り、房は自然に垂らします。合掌の際は、数珠を両手の人差し指・中指の間に挟み、中指から小指が数珠の内側にくるように広げて、手のひらの間に数珠を挟み手を合わせます。
天台宗の数珠は、男性用・女性用どちらも大きな1連の数珠です。
浄土真宗の数珠の使い方
数珠を持つ際は、房を下に垂らします。合掌の際は、房を下に垂らして親指・人差し指の間に数珠を挟み両手にかけます。
浄土真宗の数珠は、男性用が1連・女性用が2連となります。
浄土宗の数珠の使い方
数珠を持つ際は、親指・人差し指・中指で数珠を挟みます。合掌の際は、2つの輪を親玉の位置に合わせ、親玉を親指・人差し指で挟み両手にかけます。房は自分側に自然と垂らします。
浄土宗の数珠は、男性用・女性用ともに1連で二重にして使用します。
曹洞宗・臨済宗の数珠の使い方
数珠を持つ際は、2つの輪にして房を下に垂らします。合掌の際は、二重にして房を下に向け、左手の親指・人差し指の間に挟み左右の手を合わせます。
曹洞宗と臨済宗の数珠は、男性用・女性用ともに1連で二重にして使用します。
日蓮宗の数珠の使い方
数珠を持つ際は、二重にして房を下にします。合掌の際は、数珠を8の字型にねじり両手の中指にかけます。右側に房が2本、左側に房が3本来るように持ちます。
日蓮宗の数珠は、男性用・女性用ともに2連の数珠となります。
最低限覚えておきたい数珠のマナー
数珠の貸し借りはできない
数珠は家族を含むほかの人と貸し借りすることはできません。自分専用の数珠を持ちましょう。通夜・お葬式の際は、必ず数珠を使用しなければいけないということはありません。忘れたからといって誰かに借りず、手に何も持たず参列しましょう。
男性用・女性用は区別する
数珠はほとんどの場合、男性用・女性用と性別により区別されています。女性が男性用の数珠を、またはその反対で使用することはできません。購入する際には、自分の性別にあった数珠を購入しましょう。宗派によっては、男性用が1連、女性用が2連などと種類が異なる場合もあります。