翡翠(ヒスイ)は昔から人気の天然石です。見た目も美しいので「翡翠を手に入れたい!」と思うこともあるでしょう。そんなとき気になるのは、値段や上手な買い物の仕方だと思います。
そこで、翡翠の平均的な価格や偽物と本物の見分け方をまとめてみました。
目次
翡翠ってどんな石?
翡翠は古来から大変人気な天然石です。英語名は「ジェード」(Jade)と表記され、装身具に加工したり魔除けやお守りとしても好まれ使われてきた歴史があります。
「翡」はカワセミのオス、「翠」はメスの意味をあらわすと言い伝えられています。そこからも分かるように カワセミの美しい緑の羽に色彩が似ていることが由来となっています。
翡翠といえばその緑色を連想する人も多いのではないでしょうか。「奇跡の石」とも呼ばれ、日本を代表する宝石として2016年国石にも選ばれた格式ある石です。
採掘地としてはミャンマーをはじめ、スイス・アメリカなどでも産出されています。 日本でも新潟県の糸魚川産が翡翠産地として有名になりました。
翡翠の種類とランク
カラーバリエーションが豊富な翡翠。そのため、緑色だけと決まっているわけではありません。
もとは翡翠輝石の基本色が白であり、そこから不純物元素と結びつき緑やオレンジなどの色となっていきます。他にも赤や黒など10色以上あるようですが、緑の次に人気があるのは紫色でラベンダーヒスイと呼ばれています。
ランクとしては加工処理の度合いによってA~C貨(A~Cタイプ)という基準があるようです。
翡翠の種類とランク: A貨(Aタイプ)
宝石として必要最低限の加工である「研磨」のみ行った天然の翡翠につけられるランク。実際には表面のざらつきにつやをだすため、無色のワックスで処理している商品がほとんどです。
翡翠の種類とランク:B貨(Bタイプ)
翡翠の透明度を出すために漂白処理をしたり、鮮やかな色を出すために漂白やポリマー加工をしたものがこのBタイプです。天然石として安価に売られているものはこのBタイプが多いでしょう。
翡翠の種類とランク:C貨(Cタイプ)
翡翠と呼ぶには適当ではない、クオリティの非常に低い翡翠から加工されたものです。
染色や漂白が施されており、お土産店で数百円程で売られているアクセサリーなどに見られますが、翡翠成分がゼロではないことから「翡翠」として表記され売られています。また、さらに低いものではDランクまであるようです
最高級のランクって?
また、さらに高品質なものはSランクとされています。最高級の翡翠の色は琅玕(ろうかん)と呼ばれ透明感があり煌く美しい濃い緑の色をしています。宝石の買取においてもトップレベルの金額といわれています。
また、ありのままの真っ白な翡翠も大きな価値が出ているようです。
平均的な翡翠の値段
最低1,000円〜といわれている
翡翠の価格は石の状態やサイズによって変わります。目安としては1.0カラットでCランクなど安価なものだと1,000円~、Aランク以上だと10,000円を超えてしまうようです。
また、翡翠といえば中国というイメージを思い浮かべるかもしれませんが、実は中国ではジェダイドは産出されていないようです。もしクオリティの高い翡翠を購入したいと思った場合は、自分で判断するのではなく信頼できるお店で「ジェダイドの翡翠が欲しい」と伝えれば対応してくれるでしょう。
翡翠を売りたいと思ったときの注意点
翡翠を売りたいと思った場合は、鑑定書がなくても買取はしてくれるようですが
翡翠と一緒に鑑別書も保管している方は鑑別所付の方が査定が高くなる可能性があるようです。
「翡翠だと思って大事にしていた石が実は違っていた…」という話も少なくないようです。
本物と偽物の見分け方
専門の機械をつかうと違いがわかる
翡翠は非常に見分けがつきにくい石といわれています。
ジェダイド(硬玉)とネフライト(軟玉)の主成分は全く違うため、専門の機械で計測すれば違いはすぐに分かるといわれています。
加えて色合いや石の状態、人工なのか天然なのか、透明度や内包物など全体的に細やかに見分ける必要があるので個人で判断せず鑑別ができる専門家に確認してもらうことが最善といえるでしょう。
自分で本物か確かめる方法
ご自身でできる見分け方のひとつが、ペンライトなどで石の裏から光を直接当てるという方法です。模倣品であればチリや気泡のような内包物があるといわれていて、逆に色が均一でむらなどないものについても偽物の可能性が高いとされています。
削って確かめるのもおすすめ
ほかにも「削る」(スクラッチテスト)という方法があります。
ジェダイドの場合は金属などに擦り付けると金属側に傷をつけられ、ネフライトだと石側に傷がつく場合が多ようです。
また、鉱物用のカッターで削るという手法もあります。
ネフライトを削ると石の内部まで刃が通りますが、ジェダイドの場合は表面が削れるだけです。とはいえ、お店に並んでいる状態ではやはり判断が難しいと言えます。
そのほかにおすすめな方法
他にも名称からの見分け方として、シンプルに緑色の石を翡翠と呼ばれることが多いため注意が必要です。
インド翡翠はグリーンアベンチュリン、オーストラリア翡翠はクリソプレースといったように翡翠という名前がついていても硬玉でも軟玉でもありません。
この様な名称をフォルスネーム(false name:誤称)と呼びます。
たとえ翡翠という名前がついていても、フォルスネームには気を付けましょう!
価格高騰のウワサは本当?
最高品質の翡翠は高額で取引されており数百万円から1千万円という価格が付けられ、中には億単位の価値が付くケースも。琅玕カラーともなれば、買取相場は1カラットで数十万円で取引が行われたこともあるようです。
翡翠は特に古くから人気で、中国を始めインドやアジア圏の経済成長や富裕層による需要が高まっているため買取相場も上昇していると言えるでしょう。
また、硬玉の価値に目を向けがちですが、軟玉であっても白く透明感のあるものだと洋脂玉と呼ばれ中国内では硬玉の価値を上回るとも言われています。
時代を超えた宝石の代表、翡翠。災いから身を守り、お守りとして絶えない人気を保ち幸運をもたらす高貴な石。
今後もその人気は衰えることなく需要は広がっていきそうですね。