社会人になるとお葬式をはじめとする法要に参列する機会も多くなりますよね。数珠の使い方や葬儀のマナーを知らなければ恥をかくかもしれません。この記事では、数珠の意味・選び方・数珠にまつわるマナーを紹介します。
目次
お葬式での数珠の役割
珠の数=煩悩の数
数珠の珠の個数は、煩悩の数(108個)と言われています。すべての数珠の珠が108個ではなく54・42・36・27個の珠の数珠もあります。
宗派により数珠の形状・珠の個数は異なるため、すべての数珠が上記の個数とは限りません。
仏の心を持ち私たちの心を丸くする
お葬式はもちろん、さまざまな法要で数珠を使用します。数珠が丸いのは「仏さまの心を持ち心も丸くする」という意味が込められているそう。
法要の際には心を落ち着けて穏やかに話を聞くとよいでしょう。
数珠の正しい使い方
礼拝時には必ず手に掛けておく
数珠は仏教で「煩悩を消し、仏の功徳が得られるように」との思いを込めて手に持ちます。お焼香のときはもちろん、数珠を使用しないときも手に持ちましょう。
歩くときは房を下にして左手に、座っているときは左手首にかけておきます。
宗派ごとの決まりごとを守る
お葬式で手を合わせているときやお焼香をしているとき、左手に数珠をかけ合唱しているのはイメージできますよね。実は宗派ごとに数珠のかけ方があるのをご存じでしたか?
各宗派ごとに数珠のかけ方は異なります。片手だけにかけるもの、両手にかけるものさまざま。あなた家の宗派を家族に聞いて調べ、その宗派の使用方法を調べておくとよいでしょう。
数珠の種類とは?
男性用・女性用
数珠は男性用・女性用と区別されています。見た目や大きさはもちろん、性別で分けるという概念があるため、自分の性別にあった数珠を使用しましょう。
男性用のほうが数珠の珠が大きく、女性用は小さくなります。仏具店やネットショップでも男女別で販売されているため、間違えて購入することはなさそうです。
宗派で異なる
宗派により数珠の大きさや形状が異なります。自分が普段使用している数珠が「ほかの人と違う?」と思った方もいるかもしれません。
数珠は一輪数珠(ひとわじゅず)と二輪数珠(ふたわじゅず)があり、二輪数珠は数珠の輪を二重にして使用します。数珠についている房(ふさ)にも種類がありますが、こちらは宗派による決まりはないようです。好みのものを選んでかまいません。
自分に合った数珠の選び方
本式数珠か略式数珠を選ぶ
本式数珠(ほんしきじゅず)は各宗派ごとに作られた数珠のこと。浄土真宗・浄土宗・真言宗・日蓮宗・曹洞宗・臨済宗・天台宗など、宗派それぞれ専用のならわしに基づき作られています。
略式数珠(りゃくしきじゅず)は日蓮宗以外のどの宗派でも使用できる数珠のこと。最近では略式数珠を持つ方が多いようです。
どちらの数珠を選んでもよいですが、親類のお葬式の際は「本式数珠」を。会社関係・友人などのお葬式の際には「略式数珠」と、2種類を使い分けるとよいでしょう。
価格帯で選ぶ
数珠の価格帯は5,000円から1万円程度が相場と言われています。この価格帯のものを選べば、品質も良く上品に見えるものが多いとか。
天然石や木材を使用しているため、高級な数珠はかなりの高額になるでしょう。数珠には、珊瑚・屋久杉・白檀(びゃくだん)など貴重な素材を使用しているものも。数珠は高価なほど良いとうことはないので、好みのものを選びましょう。
好きな素材・色で選ぶ
女性の数珠というとピンクやラベンダーなど淡く可愛らしいカラーをイメージするのではないでしょうか。男性用・女性用を守っていれば好きな素材のものを使用してもOK。
赤・ピンク系であればローズクォーツ・ロードナイト・ピンクオパール・赤瑪瑙(あかめのう)など。青系であればアクアマリン・カルセドニー・アマゾナイト・ラベンダー翡翠(ひすい)などがおすすめです。
覚えておきたいお葬式のマナー
数珠の貸し借りはNG
数珠の貸し借りはタブーとされています。数珠には持ち主の念がこもるとされ、ほかの人が使用してはいけません。
長らく数珠を使用していない方は、数珠をどこに収めてあるか必ず確認しておきましょう。若い方で一人暮らしを始めた方は実家に数珠を置いてしまっている方もいるかもしれません。突然お葬式に参加をしなければならないこともあるので、必ず自分専用の数珠を用意しておきましょう。
パワーストーンの数珠では代用できない
最近では数珠のようなパワーストーンブレスレットが流行しています。なかにはパワーストーンブレスレットで数珠の代用を考える人もいるようですが、代用はできません。
パワーストーンはあくまでアクセサリーのため、マナー違反。必ず数珠を用意しお葬式に参列しましょう。
仏教徒以外は数珠を持たなくてOK
仏教以外を進行する方は基本的に数珠を持たなくてもよいとされています。数珠がないと気になるという方は「略式数珠」を持参するとよいでしょう。
また自分自身が仏教徒でも、キリスト教・神式のお葬式の際は数珠は必要ありません。